乾癬とは
私達の体は数十兆個におよぶ細胞からできています。その中でサイトカインという物質が細胞から細胞へ情報を伝達する為に絶えず働き細胞の増殖、分化に関わっています。これらは過剰に増える事で炎症などが起きる事が知られています。最近、この情報を伝える物質であるサイトカインが乾癬の症状と関係している事が明らかになってきました。
皮膚表面は傷つくと治す為に反応が起こります。その際には、皮膚表面の細胞の増殖速度が速くなったり、角層という表面の層が厚くなることが起こっています。乾癬の方の皮膚にはこの傷跡に起こるような皮膚の炎症が傷ついてもいない正常な皮膚に広い範囲にわたって起こしてしまっている状態ともいえるのです。さらに乾癬の方の皮膚には本来は細菌やウィルスに対して反応するT細胞という免疫が悪さをします。乾癬はサイトカインの異常と、免疫の細胞特にT細胞の異常が中心に起こる病気です。
症状としては、赤くなった場所が通常に比べて10倍以上の速度で皮膚が生まれ変わるため、硬く厚くなってきます。全身の皮膚どこにでも症状が出ますが、皮膚が擦れやすい肘や肘頭、膝頭、おしり、むこうずねの部分に特に出やすくなります。頭の髪の毛が生える時に皮膚表面との刺激が起きる為、頭も症状が出やすい場所です。
原因ははっきりとは分かっていませんが、体質的要素(遺伝的要因)に外的因子(気候、ストレス、ウィルス感染、喫煙、飲酒、食生活など)と内的因子(糖尿病、脂質異常症、肥満など)が加わって発病すると考えられます。