イボ・水イボ|町野皮ふ科|坂戸市にっさい花みず木の皮膚科

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イボ・水イボ

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イボ・水イボについて

このページでは、イボ(尋常性疣贅)と水イボ(伝染性軟属腫)の原因や特徴、治療法について述べていきます。

イボとは

  • イボ(尋常性疣贅)

    イボ(尋常性疣贅)とは見た目はタコ、魚の目に似ていますが全く別のものでウイルスによる病気です。小さなお子さんが足に硬いタコのようなものができた時はイボのことが多いです。

    ヒト乳頭腫ウイルスが皮膚の小さな傷から入り込み感染します。皮膚の細胞分裂とともに増殖し、感染した細胞が正常な細胞を押しのけて増えていくためイボ状になります。全身どこにもできますが、特に手や足にできやすいです。

     

    イボにはいくつか種類があって、一番多いのが手足によくできる尋常性疣贅といわれるイボです。

    その他にひじの内側や手の甲、顔などにいくつかまとまってできるピンク色に扁平にもりあがるタイプのイボで扁平疣贅というものもあります。また、陰部にニワトリのとさかのようにもりあがる尖圭コンジローマというイボもあります。これらはそれぞれ尋常性疣贅と同じヒト乳頭腫ウイルスによるものですが、タイプが違うものです。お年の方の首や顔にできるような老人性イボもありますが、これは多くの場合ウイルスによるものではなく皮膚の加齢による変化です。ここからのイボについてはウイルスによってできるイボ(特に尋常性疣贅)について取り上げていきます。

水イボとは

  • 水イボ(伝染性軟属腫)

    水イボ(伝染性軟属腫)とはポツポツした小さなもりあがりが皮膚の柔らかい所を中心にできるウイルスによる病気です。表面が水っぽく見えたり、中に水がたまっているように見えるので俗に水イボと呼ばれます。水イボは伝染性軟属腫ウイルスが皮膚表面に感染しておこります。通常は子供にできるありふれた病気の一つですが、時々大人にできることもあります。

     

    水イボは成長とともに良くなることも多いのですが、当院ではまずは取ることをおすすめしています。 なぜなら水イボは消えるまでに数ヶ月から数年かかることもあり、その間に自分自身の中で拡がったり、他の人にうつることもあるからです。また、水イボの周りの皮膚は表面が荒れやすくなるので湿疹のきっかけとなり、かゆみが出てしまうこともあります。そして時に水イボにバイ菌の感染をおこして赤く腫れ、痛みが出てしまうこともあります。そのような理由から治療することをおすすめするのですが、あまりにも数が多い場合や痛みがつらくて取るのが難しい場合には無理に取らないこともあります。

町野皮ふ科のこだわり

  • 1
    治療による痛みに気を配ります。時間や手間はかかりますが痛みのない治療も可能です。ご希望の方はお声がけください。
  • 2
    なかなか良くならないイボへ長期間液体窒素のみで治療せず、他の治療法も考えていきます。
  • 3
    小さなお子さんにとって何度もの治療は本当に大変だと思います。少しでもその辛さを和らげ、治して良かったと思える診察を心がけています。

診察・検査について

実際に症状のある所を出して見せてもらいます。いつからあるのかということも大事なので教えてください。

イボや水イボをダーモスコピーという強い光をあてて拡大する器具で確認することもあります。

治療法について<イボの場合>

  • 液体窒素療法(冷凍凝固法)

    綿棒やスプレーでイボに当てます。数回繰り返し行っていき、皮膚表面の異常組織をわざと壊死させて新たな皮膚の再生を促します。1、2週間に1回行うのでこれを目安に再診してください。

    1ヶ月に1回を計5回当てるよりは、1、2週間に1回を計5回当てた方が同じ計5回であっても効果が高くなります。当てた部分は白く凍結します。その後、うまくいけば黒くかさぶたになりポロっと取れることもあります。 かさぶたはこちらで処理することもあります。削ったり、切ったりしてあげることで小さくなり治りも良くなります。

     

    一度でイボがすべて取れることは珍しく、多くは数回続ける必要があり、大きく埋まりこんだ足の裏のイボは10回以上治療することもあります。また、イボが埋まりこんだ形になると治りにくくなります。時に水ぶくれや赤く腫れることがあるかもしれません。これは一時的なもので大きな心配はありませんが、変化が大きく表れたときは早めに受診していただくか、ご連絡ください。水ぶくれを受診時に取り除くとイボもなくなるか、小さくすることができます。

    液体窒素療法は、保険で治療間隔が決められています。(月)~(土)の1週間に1回までで、1週間に2回以上はできません。

  • 飲むお薬(ヨクイニン)

    イボにはヨクイニンというハト麦エキスが入った漢方の飲み薬が処方されることがあります。

    効果は補助的ですが、人によってはすごく効果が出て早く治る場あります。副作用はほとんどありませせん。お子さんには年齢に合わせて錠剤が処方されるので、ラムネのようにボリボリと噛み砕いて内服しても構いません。そのまま水と一緒に内服してもOKです。もし一度飲んでみて苦手な場合は無理せずに次回の診察時に教えてください。

  • 貼るお薬(スピール膏)

    症状が強い方で液体窒素療法と一緒に使用したり、液体窒素療法がどうしても苦手なお子さんに対しての治療法になります。

    イボの形に切ります。できるだけ小さくイボからはみださないように貼り、診察する日の2日前から貼らないでください。貼ったままだとすぐはがれてしまうので、足の裏などズレやすい所に貼る場合は上から紙テープで抑えます。ですが絆創膏は貼らないでください。絆創膏を貼ってしまうとテープのない部分でスピール膏がずれてしまうのでやめてください。

    治り方によっては、こちらのスピール膏にぬるお薬が追加されることもあります。

  • その他

    特に治りの悪いイボに対して効果的な胃薬(タガメット)があるので、これが使われることがあります。またこれも非常に治りの悪い場合に用いる治療法の一つですが、ぬり薬でオキサロール軟膏というお薬やベセルナクリームというお薬が使われることもあります。その他に局所免疫療法といってわざとイボの部分にかぶれをおこして治していく治療もあります。これらの治療は患者さんとよく話を伺った上で行う治療で、自費になることがあります。

治療法について<水イボの場合>

  • 水イボの治療

    肌が荒れている場合には軟膏をぬって良くしてあげると肌荒れはきれいになり、水イボは消えないで残るのでより水イボがわかりやすくなり治療しやすくなります。

     

    4、5個程度の数が少ない水イボの場合にはその場ですぐ取ってしまうことが多いのですが、数が多い場合には当院では少しでも痛みを軽くするために麻酔のテープを貼ったり、クリームをぬってから処置を行っています。保険内でお渡ししているのがペンレステープです。ペンレステープは貼る場所の大きさに合わせて細かくカットして一つひとつ貼っていきます。ペンレステープよりも麻酔の効果が高いクリームとしてエムラクリームを扱っています。こちらは自費のクリームになります。エムラクリームの使い方は、水イボの上に皮膚が見えなくなるくらいたっぷりぬってください。厚くぬるのがポイントになります。そしてクリームより広めの範囲をテープで覆って貼ってください。どちらも1時間前後で効果が出ますので、受診の時間に合わせてお家で貼ってきてください。来院したら貼ってきた時間を受付で伝えてください。

     

    水イボの取り方はピンセットのようなもので水イボを一つひとつつまんで取っていきます。水イボの中から白い芯のようなものが出てきて少量の血が出たり、一時的な小さな傷ができます。

     

    水イボを取ったあとは当日より入浴してください。泡でやさしくていねいに洗ってください。取ったあとの傷を洗ってあげた方がウイルスが洗い流れ再度水イボになるのを予防できますし、バイ菌感染予防にもなります。軟膏が処方された時は赤みが落ち着くまで数日間ぬってください。水イボを取ったあとがジクジクしていなければ次の日からプールへ入ることが可能です。

     

    水イボの処置はすべての処置の中でも特につらくて大変です。そんな水イボの処置で一生懸命頑張ったお子さんを、お家ではたくさんほめてあげて下さい。ご家族の方にほめていただくことがお子さんの大きな自信となり、これからの治療に立ち向かう強さにつながります。

     

    水イボは麻酔のテープやクリームを使用しても完全に痛みがなくなるわけではありません。痛がったり、取ること自体を嫌がったり、取るのがつらいお子さんには若干手間がかかり治療効果も落ちますが他の治療法もあります。ご希望の方はお声がけください。最初から取らずに行うことも可能です。

治療費について

  • 治療費の目安

    保険診療において一般的な3割負担の場合で算定しています。1割負担の方は1/3 2割負担の方は2/3としてください。

    受診の際には初診料(850円)や再診料(220円)が必要となり、場合によって必要となる項目として外来管理加算(160円)や処方箋料(200円)等があります。また、処方薬がある場合には院外薬局で調剤料など(400~600円程度)がかかります。

     

    その他に必要に応じて以下の項目がかかります。

  • イボの場合

    <イボ冷凍凝固法>

    ・3ヵ所以下 630円

    ・4ヵ所以上 780円

     

    ・スピール膏(1枚) 26円

    ・ヨクイニン散6g(2週間分) 411円

    ・ヨクイニン錠6錠(2週間分) 146円

  • 水イボの場合

    <軟属腫摘除>

    ・10個未満 360円

    ・10個以上30個未満 660円

    ・30個以上 1,050円

     

    痛み止めとしてペンレステープを使うことがあります。

    ・ペンレステープ(1枚) 10円

     

    <自費の痛み止めとして>

    ・エムラクリーム・テープセット(自費) 1,194円(税抜)

日常生活の注意点

  • イボの場合

    赤ちゃんはできにくいですが、スイミングなど裸足で行うスポーツをしているお子さんはイボができやすいです。ご兄弟がいる場合はうつることがありますので注意してください。触ると他の場所にうつることがありますので気になっても触らないようにしてください。

    予防になるので足はお風呂では石けんを泡立てて、手でていねいになで洗いしてください。治療中もイボの場所を洗うことは早く治すためにも有効です。

    お子さんの靴などで砂がたくさん入っていると、皮膚に目に見えない小さな傷がつきイボなりやすくなるので靴はきれいにしておくことをお勧めします。

  • 水イボの場合

    肌が乾燥していると、肌のバリアする働きも落ちてウイルスが増えやすくなります。肌が乾燥している場合には保湿剤を使用してください。ひっかくと小さな傷から水イボが増えてしまいます。

    水イボができやすい方は特に湿疹をしっかり治すようにしてください。湿疹を治療することが水イボの予防になります。水イボがある場合にはタオルを分けてあげてください。お風呂のお湯でうつることはありません。

よくある質問

  • <イボについて>イボはうつりますか?

    イボはウイルスによる病気ですのでうつることはありますが、そう簡単にはうつらないので日常生活は普通  におくっていただいて構いません。もちろんプールや幼稚園なども休む必要はありません。ただ、ご家族の中ではうつりやすくなりますのでご家族誰かにイボがある場合には他の方にもできていないか注意してみてください。

  • <イボについて>運動会が3日後にあるのですがイボの治療はできますか?

    液体窒素をするとまれですが赤く腫れたり、水ぶくれになることがあります。何か大事なイベントがある場合には無理はしないので教えてください。

  • <イボについて>液体窒素の治療を半年やっているのですが治りません。どうしたらよいですか?

    液体窒素だけで治りが悪い場合には、その他の治療を組み合わせていきます。通常2週間に1回を3ヶ月程度しっかり液体窒素しても治りが悪い場合は追加の治療を考えます。

  • <イボについて>一度よくなったイボがまた出てきてしまいました。イボは繰り返すものですか?

    イボは一度なったらならいということは残念ながらありません。逆になりやすい方は何度でもなってしまい、なりづらい方は一度もイボにならないということがあるかもしれません。

    イボに対して自分自身の体の免疫が反応してやっつける方はなりづらいのですが、イボに対しての免疫が弱い方はなりやすくなります。またスイミングや空手など裸足で行うスポーツをしている方や、サッカーなどで靴の中に小石が入って皮膚が傷つきやすい方なども繰り返しやすいです。

    イボは皮膚表面の角層についたごく小さな見えないような傷から始まります。ただ皮膚にウイルスがついたとしてもすぐイボになるわけではなく、洗い流れないまま数日間そこにとどまることでイボになります。イボにかかりやすい方に予防として大事になるのが、手足をやさしくていねいに洗うことです。

  • <水イボについて>症状が出るまでの期間はどれくらいですが?

    ウイルスに感染しても水イボの症状が出るまでには14日~30日程度かかります。見た目では水イボがないようでもウイルスが肌にいるということがあります。そのためいったん治療してよくなっても、すぐに感染したウイルスによって水イボがたけの子のようにポコポコと出てくることがあります。

  • <水イボについて>水イボがよくできるところはどこですか?

    胸やお腹など皮膚の薄い所や、わきの下などのこすれやすい所によくできます。またスイミングをしているお子さんはビート板やヘルパーでうつることもあるので、ビート板があたる所やヘルパーを結ぶ所でできやすいです。ただ水イボは手や足以外の様々な場所に出てくるものです。お子さんによっては陰部やお顔の目の周りなどにできることもあるかもしれません。

  • <水イボについて>幼稚園や保育園、学校を休む必要はありますか?

    水イボにかかっていても休む必要はありません。

  • <水イボについて>水イボがあってもプールに入っていいですか?

    プールの水でうつることはないので入っても構いません。ただ触れ合ったり、ビート板を一緒に使う時に水イボがうつることがあります。ただ実際には水イボがないような状態でも皮膚表面に水イボのウイルスがあるので、水イボのお子さんだけをプールに入らないようにしても水イボの感染を防ぐことはできません。また、水イボが何十個以上あるお子さんの場合は治療も難しく、1年をこえて水イボが続くことがあります。そのような場合にプールにずっと入れない状態になってしまうので、お子さんの気持ちや成長を考える上でも水イボがあるからといって必ずしも禁止する必要はないと考えます。

    水イボはもしかかったとしても深刻な病気につながることもありません。ただ水イボがある場合に他のお子さんへの配慮のためにラッシュガードを着て入ることや、水をはじくタイプの絆創膏で覆うなどしてあげると良いかもしれません。

  • <水イボについて>水イボを取る時に注意することはありますか?

    お家で水イボを取ることについてしっかりお話ししてあげてください。お母さんやお父さんからどんなことをするのか、なぜしなくてはいけないのかをあらかじめ話してあげることはお子さんが怖がらすに処置できる上でとても大切です。勇気を出して治療ができるよう、ぜひよろしくお願い致します。

  • <水イボについて>先日の水イボ治療は泣き叫んで嫌がっていました。まだ水イボがたくさん残っていますが、取らなくてはいけませんか?

    小さなお子さんが病院でとても怖い思いをすると、そのつらい体験はトラウマとなって何年も残ることがあります。そして例えばお腹が痛かったり、頭が痛かったりした時に病院へ行くのが怖いので、症状を伝えずに我慢してしまうことがあります。それは大きくなっても、おじいちゃんおばあちゃんになっても続くかもしれません。病院嫌いになって必要な治療を受けられないと、命の危険にもつながります。

    私たちはお子さんに病院でそのような思いをさせないように気を付けていきたいと思っています。激しく泣き叫んで嫌がっていたら、水イボの処置は原則やりません。水イボの処置をやらないことがその子にとって望ましい場合もあります。また、待合室の他のお子さんを必要以上に怖がらせないためでもあります。

    水イボは「たかが水イボ」です。治療するメリットもありますので処置を行いますが、治療するデメリットがより大きくなれば処置をしなくても良いと思います。大きくなればまず自然に消えますし、水イボが深刻な病気につながることもありませんので安心してください。