足のトラブル(タコ・ウオノメ・爪)とは
足のトラブルには、姿勢や歩行の悪いくせ、間違った靴選び、さらには生活習慣や体調など、さまざまな原因があります。そのため単に足に起こった症状を処置するだけでは根本的には改善しません。その症状を引き起こしている元の原因を突き詰めなければ、一時的にその症状がとれても必ず再発してしまいます。足のトラブルは毎日の生活習慣が深く関わっています。歩き方・姿勢・靴さらに毎日の足のお手入れも重要です。
足のトラブルには、姿勢や歩行の悪いくせ、間違った靴選び、さらには生活習慣や体調など、さまざまな原因があります。そのため単に足に起こった症状を処置するだけでは根本的には改善しません。その症状を引き起こしている元の原因を突き詰めなければ、一時的にその症状がとれても必ず再発してしまいます。足のトラブルは毎日の生活習慣が深く関わっています。歩き方・姿勢・靴さらに毎日の足のお手入れも重要です。
足を構成している骨はかかと・足の第1指(親指)のつけ根・第5指(小指)のつけ根の3か所を基点にアーチ状に配列されています。そしてこのアーチのしくみが荷重を支え足の優れた機能を担います。
足のアーチは3つあります。
・内側の縦アーチ かかとから足の第1指のつけ根を結ぶ
・外側の縦アーチ かかとから第5指のつけ根を結ぶ
・前方の横アーチ 第1指から第5指までの5本の指を横に結ぶ
人間がバランスよく立ったり、スムーズに歩いたりするために、足のアーチはなくてはならないものです。よって足のアーチが崩れてしまうと、足のトラブルが起きてきます。特に重要なのが前方の横アーチです。横アーチは最も力がかかりやすく崩れやすいです。崩れた状態が続くと、外反母趾になりやすく、そこからタコ・ウオノメ・巻き爪・陥入爪などの足のトラブルを引き起こしてしまいます。
タコとは皮膚に力が加わり、皮膚の一部が皮膚の外側に向かって厚く硬くなってくるものです。骨の上の広い面に出てくることが多いです。
ウオノメとは硬くなった皮膚が内側に増殖していき、中心が芯のようになって深くなり、骨と骨の間や間接のくぼみにでき、痛みを伴うこともあります。
タコもウオノメも力のかかり方に伴う病気です。外反母趾などの骨の異常があると、地面から受ける力が過度になったり、靴に当たりやすくなったりして出来ます。体重・骨格・靴(ヒール・サンダル・安全靴)・過度の負荷(ウォーキング・スポーツ)・歩き方・姿勢なども原因となります。原因となる力や刺激を取り除かないとタコ・ウオノメは何度でも繰り返します。
巻き爪とは爪の端が巻いてアルファベットの(C)のように内側に巻き込んでいる状態です。巻き爪は、より強く巻くとほとんど爪が輪のように1周近く巻いてしまう方もいます。足や爪にかかる力の結果であり、外反母趾や合わない靴の圧迫によっても起こります。爪が巻いていたとしても、痛みなどの炎症がなければ様子を見ることもあります。無理に爪の形を変えても加わる力が同じであれば結局、元に戻ってしまいます。爪にとっては、巻いていても加わる力を考えると、いままでの形が1番バランスがとれているからです。見た目の問題や痛みがある場合は治療をしていきます。爪が皮膚にくい込んで炎症をおこしている場合には、陥入爪になります。陥入爪の項目を確認して下さい。
爪の角が皮膚にくい込み、炎症を起こすために痛みがでます。ばい菌感染が起こり、腫れて赤くなり膿をもって歩くのが辛くなることもあります。一番大きな原因は深爪です。爪を短く切りすぎると、体重を支える面積が小さくなるために、より大きな力が爪と周りの皮膚にかかることになります。その結果、爪に当たる皮膚の部分が傷ついたり、炎症を起こしたりしてしまいます。また、爪を短く切りすぎることによって、爪のわきの部分で皮膚の下に小さな棘のような爪が残りやすくなり、それが、皮膚にくい込んで痛みや炎症を起こします。その他にも、爪が割れてしまったり、合わない靴(特にヒールがある靴)が原因になります。患部に力がかかるようなスポーツも原因になります。
足の状態・痛みの有無や爪の状態を確認します。足に皮剥けがある場合は、水虫の検査をします。
普段履いている靴を持参するか、写真を撮って持ってきてもらうと話しがしやすくなります。陥入爪などで痛みが強い時は麻酔の注射をして確認しますので、希望する方は教えて下さい。
タコやウオノメは皮膚の硬い所を削ります。ただ、皮膚は自分自身を守るために硬くなります。当たって痛くなることがなければ削らないこともあります。皮膚を柔らかくするサリチル酸ワセリン軟膏が処方されることもあります。硬い所にぬります。
原因となる力・刺激を取り除くことも大切です。
当院では靴外来(第3水曜日午前中、予約制)も行っています。装具士さんが来院し、タコ・ウオノメがなかなかよくならない・市販の靴で合うものがなくてなど、いろいろな症状に対応します。あなたの症状によって様々な材料を組み合わせたオリジナルインソールを作成しています。初回は採寸・採型します。2回目以降は仮合わせ・納品となります。
費用は、最初全額負担で約28,000円(両足) になりますが、後日、診断書等を提出して、自分で医療費の支給手続きをすれば、健康保険が適応され3割負担の方で約8,500円となります。片足・両足・靴作成で費用は異なります。
巻き爪の治療は足にかかる力をいかに変えていくかが重要です。履いている靴を見直したり、姿勢や歩き方に気をつけたり、足の筋肉を鍛えたてあげることが1番の治療になります。自宅で出来ることとして、椅子に座り足の裏でタオルをつかむ・はなすを交互に毎日20から30回行うことや、新聞紙を床に敷き足の裏でビリビリ破ること、ゴルフボールで足の裏の前側をもんだり、足指でゴルフボールをつかんだりすると、足裏や指の関節がゆるみ、指の筋力もきたえられます。青竹踏みも良いかも知れません。インソールや外反母趾の方のサポーターなどもあります。爪の形を変えていくこととしては、爪に装着するクリップがあります。爪の先に形状記憶合金製のクリップを差し込み、上に戻る力を利用して巻き爪の形を矯正します。クリップは患者さんが自分で装着出来ます。
爪クリップのやり方
1)爪先にクリップをひっかけ、クリップを装着する。
2)はずれないように紙テープで固定する。
3)入浴時は、はずして、足を洗って装着する。
陥入爪の治療は爪が皮膚に棘のようにくい込んでいる場合、くい込んでいる部分を爪切りで切ります。痛みが強い時は麻酔の注射をして処置します。
赤く腫れてジクジクしている所にユーパスタ軟膏などを塗ります。
ガーゼで柔らかく保護します。テープできつく巻かないように注意して下さい。
絆創膏などで巻いてしまうと、浸出液を十分に吸うことができなくなり皮膚が白くふやけて、治りが悪くなりますので、使用しないで下さい。自宅では、石けんを泡だてて、やさしく洗って処方された軟膏を塗ります。
感染を起こして膿がある場合は膿を出します。抗生剤を処方することもあります。
軟膏を塗って自宅で1週間くらい処置すると、落ち着いてきますので1週間後に様子をみせて下さい。感染が落ち着いてきたら、コットンやチューブを挿入したり、テーピングをしたりして爪と皮膚が食い込んでいる間にすき間をあけ、爪を正しく伸ばしていきます。
コットンパッキング法のやり方
1)脱脂綿を米粒くらいの大きさに丸める
2)痛みのある爪と皮膚の間に挟む
小さすぎると効果がなく、大きすぎると痛いので、何回か試して大きさを調整する
テーピング法のやり方
1)2.5㎝幅のテープを5㎝の長さに切り、爪の際ぎりぎりにテープを貼る
2)皮膚を爪から引きはがすように強く引っ張りながら、指の腹を通して反対側に回す
3)指の腹から回したテープを指の斜め上に巻きつける。このときにはテープは強く引っ張らない
4)両端に症状がある場合、反対側も同様にテープを巻く
・不良肉芽がある場合
軟膏を塗って不良肉芽を小さくすることを目指したり、液体窒素や硝酸銀で焼くこともあります。
保険診療において一般的な3割負担の場合で算定しています。1割負担の方は記載額の1/3、2割負担の方は2/3としてください。受診の際には初診料(850円)や再診料(220円)が必要となり、場合によって必要となる項目として外来管理加算(160円)や処方箋料(200円)等があります。また、処方薬がある場合には院外薬局で調剤料等(400~600円程度)がかかります。
その他に必要に応じて以下の項目がかかります。
タコ・ウオノメをけずる処置をした場合は、胼胝・鶏眼処置510円となります。
爪を切った場合は、爪甲除去180円(麻酔なし)もしくは1,920円(麻酔あり)がかかります。傷の処置をした場合は、創傷処置(100㎠未満)135円です。
巻き爪の爪クリップは、健康保険の適応ではないので自費診療となり5,000円(税抜き)です。爪ワイヤーも自費診療で7,800円~(税抜き)となります。矯正力の大きい「3TO」や「3TOポドフィックス」による巻き爪矯正も行っており、それぞれ自費税抜き9,800円と7,700円になります。
当院で、タコ・ウオノメに悩む方のインソールとして扱っている自費物品には以下のようなものがあります。
インソール
1)DSISソルボヘルシーフルインソールタイプ 1,600円税抜き
軽くて薄いので初めての方やご年配の方のおすすめ
2)DSISソルボメディフルインソールタイプ 1,800円税抜き
しっかりしていて多少の厚み・重さあり効果を求める方におすすめ
3)DSISソルボ外反母趾対策フルインソールタイプ 1,800円税抜き
パンプスやヒールをはく女性に特に外反母趾がある方におすすめ
他にもクッション材・部分的なサポーター、タコ・ウオノメの方の室内履きも扱っています。
足先にゆとりがあり、甲周り・かかと周りが合っていて、指のつけ根が曲がりやすい靴を選びましょう。実際に選ぶ時は、つま先に足を合わせて、かかとに指が1本はいるサイズを選び、そして靴をはく時は、かかとに足を合わせて履き、靴ひもをしめて指先に指が1本あくようにして履きます。サイズのみではなく靴を履いた時のフィット感や足のあたり具合などを良く確認します。足の形は左右で少し異なります。必ず両足ともはいて実際に歩いてみましょう。また、くつひもは締めて履かないと足が靴の中で足が遊び、タコ・ウオノメの原因になります。丁寧に足を洗い、毎日足の状態をチェックしましょう。タコ・ウオノメからばい菌が入ってしまい傷になることがあります。タコ・ウオノメがなかなか治らない場合は、インソールを考えてみて下さい。当院では、症状にあった物品を取り扱っています。
陥入爪の多くは間違った爪の切り方から生じます。爪の正しい切り方を知ってください。
ポイントは短く切りすぎないで、先の白い部分の長さが約1㎜は残して切ることです。深爪が陥入爪の原因になります。そして、角は絶対に落とさず四角い形に切ることです。
加わる力が同じように続けば、繰り返してしまいます。少しでもいい状態を長く保つために、靴選びが大事です。足にあった靴を選びましょう。
タコは、硬い骨の上にでき、同じ場所に力や摩擦が繰り返しかかることで角質が厚く硬くなり盛り上がってきます。痛いというより感覚が鈍くなっている感じです。ウオノメは、骨と骨のやわらかい所にでき、皮膚の内側に向かってくさび形の点になって厚くなり、芯を作ります。芯が神経のある皮膚の層に達するため、外部からの刺激で痛みがでます。
ウオノメは、力がかかったところの皮膚の反応による変化なので、でき物とは違います。芯をとっても同じように力がかかると、また出来てしまいます。芯をとるか取らないかはそれほど重要ではなく、いかに、力がかからないようにしていくかが、重要です。ただ、確かに芯があると硬く当たり痛みがでるので、その場合は芯の部分を削り取ることがあります。
爪の角を切ると余計に症状が悪化してしまいます。正しく爪を伸ばすことが大切です。コットンやテーピングなどで爪と皮膚が食い込んでいる間にすき間をあけ、痛みを軽減させて正しく爪を伸ばしていきましょう。気になる場合はぜひ受診してください。
当たっている爪の角を切ったつもりでも、爪は見えているところで終わらず、端は皮膚の下にも続いていることがあります。その場合は端で残った爪がクサビ状に棘として残り、皮膚に食い込み痛みの原因となります。また、爪を短く切ると、爪が小さくなるので荷重を支える面積が小さくなります。そのため爪が皮膚に当たるところの荷重もかかり、あるポイントで負荷が大きくなってしまいます。とくに爪の角に当たる場所の皮膚には負荷が大きくかかるので、短く切った爪の角に皮膚が当たって炎症を起こします。爪を伸ばし爪の角が指先まで出てくると、爪の側面の角がない場所で広く荷重を支えることができるので、トラブルが少なくなります。