こんにちは。町野皮ふ科のTATA♡です。
今回は繰り返す単純ヘルペスでお悩みの方にぜひ知っていただきたい「アメナリーフ錠」のご紹介です!
アメナリーフ錠の適応症はこれまで『帯状疱疹』でしたが、2023年2月24日からアメナリーフ錠の効能・効果に『再発性の単純疱疹』が追加承認され、PIT処方が可能になりました。
PIT処方とは、あらかじめ処方されているお薬を初期症状(症状の出始め)に速やかに服用できる「Paitient Initiated Therapy」と呼ばれる治療法です。
再発性の単純疱疹(繰り返す単純ヘルペス)の方、再発の症状を判断できる方におすすめの治療法です。
☆過去に口唇ヘルペス、性器ヘルペスにかった方で、症状の出始めがわかる場合には、現在症状がなくても、お薬の処方が可能です。
○アメナリーフ錠の特徴
有効成分であるアメナビルはヘルペスウイルス増殖の初期段階に働くヘリカーゼ・プライマーゼ複合体で、ヘルペスウイルスの増殖を初期段階で阻害します。これは既存の抗ヘルペス薬(ファムビル、バルトレックスなど)とは異なる新規作用機序です。
アメナリーフ錠は腎機能に影響がありませんので、ご年配の方や腎機能障害の患者さんなど腎機能が低下した方にも安心して使えるお薬です。
『再発性の単純疱疹』へのアメナリーフ錠は初期症状(症状の出始め)に1日1回6錠を1回のみ服用します。服用回数が少ないので飲み忘れも防げます。
空腹時はお薬が吸収されにくいため、食後(30分以内)に服用してください。初期症状に気づいた時が食前や食間の場合は軽食など何か食べた後の服用をおすすめします。
調剤薬局さんでの窓口負担の目安(3割負担)は調剤料等とお薬代で¥2700程度です。
○単純疱疹(単純ヘルペス)とは
単純ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスHSVが皮膚や粘膜に感染するか、あるいは神経節に潜伏感染していたウイルスが、ストレスなどの刺激や免疫の低下によって再活性化することによって発症します。再活性化による再発を繰り返すのが特徴で、再発すると口唇や性器などの発症部位に赤みのある小さな水疱を形成しピリピリとした痛みや痒みを伴います。
単純ヘルペスは部位によって呼び方が異なります。
口唇ヘルペス
性器ヘルペス
カポジ水痘様発疹症など
○初期症状(症状の出始め)の例
ピリピリ、ムズムズなどの違和感、ヒリヒリ感、痒みなど
単純疱疹(単純ヘルペス)は再発することが多く、症状を悪化させないためにも抗ヘルペスウイルス薬を発症早期に内服することが重要ですが、お仕事や学校などですぐに受診することができない方もいらっしゃると思います。
このたびアメナリーフ錠が『再発性の単純疱疹』の方にPIT処方が可能になったことで、繰り返す単純ヘルペスの方には早期にお薬を服用できるようになりました。あらかじめお薬を備えておけるPIT処方をおすすめします!
今現在ヘルペスの症状がなくても遠慮なく受診をしてください。問診票には「ヘルペスのPIT処方を希望」と書いてもらうとわかりやすいと思います。ヘルペスでお悩みの方にはとてもおすすめの治療法です。
ぜひ受診してみてください!
≪当院でできること≫
○単純ヘルペスウイルスキット「デルマクイックHSV」
当院では検査キットも扱っています!今回のアメナリーフ錠のPIT処方のお話とは異なりますが、ヘルペスの診察時に検査キットで判断する場合もあります。
単純ヘルペスの皮疹の発症部位は多様で、帯状疱疹なおどの皮膚疾患との診断に迷う症例も少なからずあります。
当院では発症部位に関わらず、皮膚擦過物を検体とし、5~10分で判定できる「デルマクイックHSV」イムノクロマト法を用いた抗原検出キットで検査もできます。