こんにちは。町野皮膚科トナカイです。
先日、乾癬の新しい内服薬の勉強会がありましたので、紹介させていただきます。
2022年11月16日発売になったソーティクツ錠は約5年ぶりに出た乾癬の内服治療薬です。
乾癬の中でも尋常性乾癬 膿疱性乾癬 乾癬性紅皮症に適応があります。
ソーティクツは1日1回 1錠(6mg)を内服するものです。
① ソーティクツのはたらき
乾癬の患者さんは遺伝的、環境的要因によって免疫が異常に活性化しています。
その免疫の異常にかかわるたんぱく質(TYK2)のはたらきを抑えることにより、
症状の改善をはかるお薬です。
② 効果
臨床試験の結果では16週間の内服で7割以上の患者さんに皮膚の症状が1/4以下になりました。
さらに約1年内服継続で3割の患者さんはほとんど皮膚症状がみられなくなりました。
③ 内服するにあたって
全身状態を調べる検査が必要になります(採血 胸部レントゲン)
④ 注意すること
上気道炎 単純ヘルペス 帯状疱疹 毛嚢炎などの感染症が生じやすくなります。
死亡にいたるような副作用は報告されていません。
内服中は以下のような生ワクチンの接種ができなくなります。
(BCG はしか 風疹 MR 帯状疱疹(水痘) おたふく風邪等)
新型コロナワクチン インフルエンザワクチンは問題なく接種できます。
帯状疱疹ワクチンも新しいシングリックスは接種可能です。
⑤ 費用
14日分 3割11630円 1割3880円
30日分 3割24930円 1割8310円
追加で調剤料など諸費用がかかります。
来年11月までは1回に出せる処方に制限があり、14日分になります。
臨床試験では非常に効果の出ているお薬になっています。
乾癬で困っている方は是非ご相談下さい。