できもの(粉瘤等)とは
皮膚のできものを医学的には腫瘍と呼び、腫瘍には様々なものがあります。皮膚表面にできる腫瘍で代表的なものはホクロ(色素細胞性母斑)ですが、皮膚の下にできる腫瘍でよく見られるのが粉瘤です。皮膚の下にかたまりのようなしこりを触れたらそれは粉瘤かもしれません。ここでは皮膚のできもののうち手術で取り除く機会の多い粉瘤についてみていきます。
粉瘤はよくあるものなので様々な呼ばれ方があり、アテローム、アテローマ、表皮のう腫、毛包のう腫などが同じ意味で使われます。悪いものではなく良性腫瘍のひとつで、皮膚の下に嚢胞と呼ばれる袋状のできものができ、その中に古い角質などがたまってしまった状態です。ごくまれに悪性化することもありますが、通常ほとんど気にしなくても構いません。
中央に小さな皮膚表面につながる出口があり、その部分が黒く点で見えることがあります。
中に溜まっているものは脂肪の塊といわれることもありますが、脂肪ではなく角質で垢のようなもので、袋の中身を押し出すと臭い匂いがすることがあります。
粉瘤は身体中のどこでもできます。傷あとや怪我のあとにできることもありますが、ウイルス性のイボの感染をきっかけとして、足の裏のイボから粉瘤になることもあります。ほとんどは思い当たる原因はなくできます。できやすい場所は耳周り、首うしろ、背中、顔、足の付け根、わきの下などがあります。
ホクロと同じようにできやすい人とできづらい人がいます。食べ物が原因でできることはありません。これをすると粉瘤にならないなどの、予防法はありません。ただ、できてしまった粉瘤をいじったり、こすったりすると炎症を起こしやすくなるので、いじらないようにしていただき、表面を丁寧に洗って清潔に保ってください。
自然に消えることは少ないので、気になる場合は早めの受診をお勧めします。