ふけやカサカサ(脂漏性皮膚炎)とは
脂漏性皮膚炎とは「脂が漏れる」という字を書きますが、肌の脂の分泌がポイントになる皮膚炎です。脂の分泌が多い所は頭皮(特に耳周り)や、眉毛、鼻の周り、耳の穴などがあります。このような場所が赤くなり、表面の皮膚が薄くむけたり、カサカサとしてしまうのが脂漏性皮膚炎でみられる症状です。頭の場合には剥がれ落ちた皮膚がフケとなってみられます。フケも大きい物だと、頭の地肌にこびりついてみえることもあります。痒みはないこともありますが、気になる痒みとして続いてしまうことも少なくありません。
出やすい年齢は40歳以上ですが、脂の分泌が盛んな生後1ヶ月前後でも頭皮にみられることがあります。私たちの皮膚には常在菌といわれる菌やカビが住んでいます。常在菌は誰もが持っている物です。私たちが脂分を肌から分泌すると、常在菌がそれを分解していきます。脂漏性皮膚炎では、この常在菌によって分解された産物が皮膚に刺激となり症状を引き起こします。常在菌のうち、特にポイントとなるのがマラセチアと呼ばれるカビの一種です。
このことから脂漏性皮膚炎は、脂の分泌が多い方、シャンプーの回数が少なかったり洗い方が不十分で脂分が皮膚に残りやすい方に起こりやすくなります。また、脂漏性皮膚炎を起こしやすい常在菌を多く持っている肌質の方や、肌がデリケートで刺激に対して弱い方も症状を引き起こしやすくなります。私たちは歳を取るとともに首から下の皮膚は乾燥しやすくなりますが、逆に顔や頭皮の脂の分泌が多くなりやすい傾向があります。なので、脂漏性皮膚炎は10代・20代よりも40代・50代以降で多くみられます。汗が多いと悪くなるので、汗っかきの方やスポーツをよくされる方にも出やすいかもしれません。