水虫とは
足の裏や足の指、爪などに、カビの一種である白癬菌が感染した病気です。実は日本人の5人に1人とありふれている病気です。
水虫というとかゆみが出るイメージがCMなどであるかもしれませんが、実はかゆみは出ないことが多いため、水虫と気づかれずに放置されている方も多いかもしれません。
ひどくなると、股の付け根や体にも広がることがあります。
足の裏や足の指、爪などに、カビの一種である白癬菌が感染した病気です。実は日本人の5人に1人とありふれている病気です。
水虫というとかゆみが出るイメージがCMなどであるかもしれませんが、実はかゆみは出ないことが多いため、水虫と気づかれずに放置されている方も多いかもしれません。
ひどくなると、股の付け根や体にも広がることがあります。
靴や靴下を脱いで、足を見せてもらいます。皮むけやガサガサしている所からピンセットで皮膚の一部を少し取り、顕微鏡で菌がいるか検査します。場合によっては診察の前に先に検査を行う場合もあります。そのため、問診票には症状を詳しく書いてください。
爪の水虫の場合、飲み薬で治療しますが、まれに肝臓や血液に影響が出ることがあるので、飲み始める前と飲んでから最初の2週間、その後はひと月に1回血液検査を行います。
皮膚には1日1回ぬるクリームが処方されます。爪には1日1回ぬる液体の薬が処方されます。爪を柔らかくしてよりお薬の効果をよくするために、サリチル酸ワセリンという薬を爪に塗り重ねることもあります。
爪水虫の場合は、爪専用のぬるお薬が近年発売されて、以前のものよりも効果が期待できますが、一番の治療は飲むお薬になります。
1日1回朝飲むお薬で、爪が根元から生え変わる時にきれいになっていきます。爪が生え変わる期間を考えると、5,6か月程度飲み続けます。
足を丁寧に洗うことは治療としても大事なことです。以下の日常生活の注意点を参考にしてみてください。
保険診療において一般的な3割負担の場合で算定しています。1割負担の方は記載額の1/3、2割負担の方は2/3としてください。受診の際には初診料(850円)や再診料(220円)が必要となり、場合によって必要となる項目として外来管理加算(160円)や処方箋料(200円)等があります。また、処方薬がある場合には院外薬局で調剤料等(400~600円程度)がかかります。
その他に必要に応じて以下の項目がかかります。
・顕微鏡検査 1か所につき 660円
・一番一般的な水虫のぬるお薬 ルリコンクリーム 1本10g 165円
・爪水虫で採血する場合 410円
・内服処方された場合 テルビナフィン(ラミシール錠の後発品)28日分 614円
家族の方に水虫の可能性があれば、一回治っても再びご家族より感染し水虫になってしまいます。
家族全員で治療することが大切です。
バスマットについては、水虫がある場合でもご家族と分けて使う必要はないと当院では考えます。床やたたみにもいるので、バスマットだけ分けても予防効果は十分ではありません。また、治療していれば感染する可能性は低くなります。ただ、こまめなバスマットの洗濯やお家の床掃除は予防に有効ですので、是非行ってみてください。
泡で丁寧に洗うことが、水虫の治療・予防にもなります。
①毎日ボディソープを使って洗いましょう。
②ボディソープはしっかり泡立てて、足の指の間まで優しく丁寧に指でなで洗いします。
③タオルでこすると肌に小さな傷がつき、そこへ水虫の菌が入り増えてしまうので逆効果です。軽石も止めてください。
④お風呂から出たら、指の間の水滴も1本1本丁寧にタオルで拭き取りましょう。しっかり乾燥させる習慣をつけましょう。
水虫は何年も続いて治らないというイメージがあるかもしれませんが、通院してしっかり治療すれば、治らない病気ではありません。市販の水虫の薬をぬっても良くならない場合は、水虫ではないものに水虫の薬をぬり続けていることもあります。まずは水虫と正しく診断することが大事ですので、初診の際には顕微鏡で菌を確認します。
爪以外の場合は2か月が目安です。爪の場合は飲むお薬で治すのが一番効果的ですが、爪の生え変わりの期間を考えると、5,6か月程度の期間が必要です。
爪水虫の場合、液体で塗る治療もあります。(クレナフィンやルコナックなど)ただ、飲み薬で治療する方が確実に良くなりますので、内服での治療をおすすめします。採血で肝臓や腎臓の数値が悪いと内服ができないため、外用での治療になりますが、時間はかかります。
小さなお子さんの場合は大人よりも水虫にはなりづらいです。水虫の菌は皮ふ表面の層(角層)に感染するので、角層が薄いお子さんは水虫になりにくいのです。さらに菌は温度が高いと増えづらいため、角層が薄いと皮膚表面の温度も高くなり、より水虫になりづらいのです。お子さんの足の皮むけや赤みかゆみは汗疱という病気であることがほとんどです。汗疱については別ページに詳しく書いてあるので、見てみてください。ただ、お子さんでも水虫にならないというわけではないため、疑わしい場合は受診してください。
まったく何もないところから水虫の菌がわいてくるということはないので、どこかから移ってきたということが考えられます。よくある場所としては、公衆浴場や裸足になる機会がある場所(たとえばジムやロッカールムなど)です。ですので、そういった場所でお風呂やシャワーを利用した際は特にそのあと指の間丁寧に洗う癖をつけるといいかもしれません。スリッパなどでも移ることがあるため、外でスリッパを履く機会があった際は丁寧に洗うことが水虫の予防にもなります。皮膚表面に水虫の菌がついたとしても、すぐに水虫になるわけではなく、菌が角層の中に入って初めて水虫になるので、水虫の菌が角層の中に入るまでに2,3日かかります。その前に洗い流せば水虫にはなりづらいのです。
見た目はきれいであっても菌は目に見えないので、まだお薬は塗り続けた方が良いことも多いです。目安は2か月程度になります。また、一度自分から菌が居なくなっても、自宅の中や日常生活の環境には水虫の菌が多い状態はすぐに変わらないことが多いため、そのようなことから予防するためにも2か月塗り続けることは心がけてみてください。
塗るお薬でかぶれを起こしていることが考えられます。この場合はぬるお薬をやめて早めに受診して下さい。かぶれることは多くはありませんが、20、30人に一人程度かぶれることがあります。
決してとても怖い薬というわけではありません。ただ、まれに肝臓や血液の数値などに異常が出る人もいるため、異常があるまま飲み続けると大きな問題につながりますから、早めに確認して問題のない中で治療を進めるために採血検査を行います。他で飲んでいるお薬があっても比較的飲み合わせの悪くないお薬ですので、多くの方が飲むお薬で治療が可能です。
水虫という言葉は俗語ですが、これは昔、田んぼなどの水仕事をしている人の足に出ることが多かったので、水虫と呼ばれているようです。水虫が必ず水ぶくれができるわけではありません。