白斑とは
白斑とは肌の色が白くぬけてしまうことです。白斑にはいくつか種類があります。
白斑とは肌の色が白くぬけてしまうことです。白斑にはいくつか種類があります。
一番良く見られるのは年齢とともに光がよくあたっているところの肌が抜ける老人性白斑です。老人性白斑は、年齢とともに色を作る細胞の働きが弱くなり皮膚の色が5ミリ程度の大きさでパラパラと抜けてしまいます。老人性白斑は歳とともに多くの人に出ますが、それほど目立たないために気にされない方も多いかと思います。老人性白斑は治療で治すことは難しく、通常治療は必要ありません。様子をみるだけになります。
脱色素性母斑は生まれながらに、または生まれて数か月の間に色が抜ける場所が出てきて、それが大きく広がったりはせず、色が抜けたホクロのようなイメージで体の成長とともに大きくなったりはしますが、大きさや数がふえたりはしません。
白斑の中でも特に代表的なものは尋常性白斑です。尋常性白斑は皮膚の色が抜けてくるとだんだん大きく、地図上に広がり患者さんも心配になり受診される方が多い病気です。よく知られている病気ではありませんが、まれな病気でもなく世界中で約800人に1人の割合で患者さんがいらっしゃいます。昔からある病気で地方によっては白ナマズという言い方をしたりします。うつる病気ではありません。ただ、見た目が問題になる病気で、ほとんどの場合、内臓の異常や全身の異常は見られませんが非常に悩んでいる方が多い病気です。マイケル・ジャクソンも黒人が白人のようになり、薬の影響などと言われていますがそうではなく、この病気で悩んでいた1人です。尋常性白斑は肌の色素を作る細胞が破壊され、肌の色が作れなくなって起こる病気です。この原因として、自分自身の免疫が誤って色素を作る細胞を壊してしまうことや、酸化還元を調節する仕組みの異常により酸化ストレスに弱い色素の細胞がやられてしまうことなどが考えられています。
色が抜けている皮膚を診察します。いつから、どれくらいの大きさがありそれが大きくなっているかがポイントです。内臓の病気ではないので通常、血液検査などは行いません。稀に、甲状腺や全身の免疫異常を伴う方もいます。そのような場合には採血検査をさせていただく場合もあります。
自分自身の免疫細胞が異常に活性化して色素を作る細胞を攻撃しているため、その異常な免疫の反応を抑えることが治療になります。残念ながら、ほとんどの尋常性白斑は数週間では治りません。けれども、根気強い治療で白斑がよくなることが期待できます。
塗り薬ではステロイドの塗り薬が使用されることが一般的ですが、その他の塗り薬が使用されることもあります。これらの薬は異常に活性化した免疫細胞を抑えるために使用します。ただ、塗り薬の効果は限定的で、塗り薬だけで白斑を完全に治すのは難しいことが多く、より効果的な治療法として紫外線をあてる光線療法があります。
光線治療では以前はUVAが使われていましたが、近年はナローバンドUVB療法といって治療効果の高い、ごく狭い周波数(311~312㎚)の紫外線を照射する治療法があります。ナローバンドUVB療法はUVAに比べて紫外線による発がんのリスクも極めて低いことが確認されています。白斑の他にも乾癬やアトピー性皮膚炎など様々な皮膚疾患に有効です。
光線治療はより効果的な治療法ですが、より効果を出すためには特に、最初は週に2,3回の照射が必要です。1回の照射時間は5分程度です。準備にかかる時間を含めて15分程度かかります。照射回数は残念ながら5回、10回で終わりになることはなく、場合によっては100回を超えて照射していきます。効果の判定を最初の20回程度で行います。ナローバンドUVBが出るまでは白斑をクリニックで治すことは難しかったのですが、ナローバンドUVBの登場によって時間と根気はいりますが白斑を小さくすることができるようになりました。光線治療では他に、エキシマライトという治療法もありますが当院では行っていません。
保険診療において一般的な3割負担の場合で算定しています。1割負担の方は1/3 2割負担の方は2/3としてください。
受診の際には初診料(850円)や再診料(220円)が必要となり、場合によって必要となる項目として外来管理加算(160円)や処方箋料(200円)等があります。また、処方薬がある場合には院外薬局で調剤料など(400~600円程度)がかかります。
その他に必要に応じて以下の項目がかかります。
<皮膚科光線療法>
・1日につき 1,020円
尋常性白斑は初診時から1カ月以降の再診の際には皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅱ)が月に1回かかります。
・月に1回 300円
強くこすると白斑が広がることがあります。とくに身体を洗う際にゴシゴシ洗わないようにしてください。
治療として紫外線をあてることはありますが、自身の判断で日焼けをしてしまうと肌のトラブルの原因になります。日常生活において白斑部は過度の紫外線をあてないようにしてください。
白斑部分に塗って色をつけて、見た目を整える自費の商品があります。
当院で試供品やパンフレットもありますので声をかけてください。
例)・GRAFA カバーメイクアップ製品 ファンデーション8g 1,000円~
・白さをカバーし肌色に近づける化粧水11ml 2,800円
・マッシュフィールド 部分用ファンデーション20ml 2,800円
・資生堂 カバーファンデーション 2,500円~
それは単純性粃糠疹、いわゆる「はたけ」かもしれません。はたけは、肌が少し荒れていると、その部分、皮膚表面の角層で光の乱反射が起こり、あたかも日焼け止めを塗ったかのような状態になり、日焼けをしたときにそこだけ焼けないので色が抜けてしまうような皮膚の変化です。色が抜けたように見えますが、周りが日焼けをしたのであって、抜けた場所が本来の肌の色です。肌が荒れているサインでもあるので、保湿剤を塗ったり、表面の炎症を抑えたりする薬を使うことがあります。
通常、遺伝しません。尋常性白斑は遺伝子の異常とは関係のない病気です。
光線治療は、レーザではないので照射中の痛みはありません。イメージとしては有害な波長が少ない、日焼けマシーンのようなイメージです。ベッドに横になって頂き白斑の部分に特殊なランプで光を当てていきます。照射後は、淡く赤くなったり、多少ピリピリするような日焼けの後の変化が現れるかもしれません。 全く何も変化がないよりはそのような軽く日に焼けたような変化があった方がより効果的です。強い痛みや激しい赤みが起こるようだと光線の照射量が強すぎるので調整を行っていきます。