強い光をあてて皮膚表面を拡大して観察する機器です。当院ではMM&NIIC社のエピライトエイトを診察室や処置室で計4台使用しています。ダーモスコピーを使うことによって、皮膚表面や毛穴の細かい変化を確認することができます。また、強い光をあてると皮膚表面から少し下の構造も見えます。皮膚科では目で見て観察することがとても大事ですので、診察には欠かせません。
特に有用なのが、黒や茶色のホクロのようなできものです。ダーモスコピーで見ることで、ただのホクロなのか、ホクロの癌とも言われるメラノーマなのか、違いが見えやすくなります。ダーモスコピーがない頃は、足の裏でホクロなのかメラノーマなのかを切除して確認しないと分からない場合も多くありました。今はダーモスコピーで見ることで、細かい違いが分かるようになり、足の裏の多少形の悪いホクロであっても切除なしで問題ないと判断することもあります。ホクロやメラノーマの他にも、脂漏性角化症(老人性イボ)や基底細胞癌、血管腫などのできものや、肌荒れやイボの状態の確認、爪水虫や疥癬の診断の補助にと様々な場面で活用しています。
症状があるところへ紫外線を当てて治していく装置です。肌の色が抜けてしまう尋常性白斑や、肌がガサガサと赤くなる乾癬などの病気は自分自身の免疫の働きに異常があります。免疫とは本来ウイルスや細菌、カビなどの攻撃から身を守る反応です。その免疫が異常に活性化することによって症状がでます。紫外線はこの異常に活性化している免疫を抑えることができるので治療に使われます。
ただ紫外線は皮膚に悪い影響を与えることもあります。代表的なものが皮膚ガンです。そのことを考えて、治療に使われる紫外線は皮膚に悪影響が少なく、かつ治療効果がでる波長のみを選んで照射します。紫外線を当てるのは日焼けマシンと似ていますが、この点が大きく違います。
尋常性白斑、乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎などに使うことで、ぬる薬・飲む薬だけでは得られない効果が期待できます。1回照射にかかる時間は数分ほどです。健康保険で行うことができる治療法で、ナローバンドUVB照射を行うと通常の診察料等に1050円(3割負担)ほど追加になります。
顕微鏡も皮膚科の診療で欠かせません。水虫の場合、病変部の皮膚を顕微鏡で確認するとカビの菌糸が見えます。足の指のかゆみがあっても、実は顕微鏡で調べると水虫ではなく汗疱性湿疹という別の病変のこともあります。お尻のカンジダや顔や体のネコのカビ、疥癬の診断にも使われます。この顕微鏡はパソコンの画面にもつなげることができるので、パソコン画面で確認しながらスタッフの勉強でも使っています。
こちらは持ち運ぶことができる顕微鏡です。往診ではこの顕微鏡を往診車につんで伺います。充電式なので、診察時にAC電源も不要です。
イボの治療で活躍します。液体窒素に綿棒をひたしてイボに当てることもありますが、イボの大きさや病変の深さによってはスプレータイプでの治療がより効果的です。MM&NIIC社のクライオプロとヤヨイ社のCRY-AC-3を使っています。
粉瘤、ホクロ、脂肪腫などを手術で切除する際に活用します。電気メスを使用することで、出血をより少なくすることが可能です。頭部などの出血しやすい場所も電気メスがあれば安心です。
当院では医療用のファーストピアス装着器である、J.Hewitt社のメディシステムを使用しています。穴開け用のピアスを滅菌パックから取り出して、耳たぶに装着するまで、手に触れることなく衛生的に処置できます。瞬間的にピアスを耳たぶにセットするので、患者さんに大きな痛みを感じさせず、麻酔も不要です。
これは禁煙外来で使用します。1日に吸うタバコの本数は呼気中一酸化炭素濃度と関係があります。禁煙をすると、禁煙前に高かった数値が下がっていきます。一酸化炭素は体にとって害のあるものです。この測定器を使うことで、患者さん自身が体へのタバコの影響が下がっていくことを目で見て確認できます。「タバコを止めるとこれだけ数値が下がるんだ」ということが分かると、禁煙の必要性を実感できます。禁煙の継続に有用な機器で、当院では原田産業社のスモーカーライザーを導入しています。
これは使わずにすみたい機器です。ただ、何かあったときのために準備しています。心臓が震えて止まってしまい、血液を送り出すことができない時に、電気ショックで正常なリズムを取り戻すために使います。当院のお近くでも、救急車が来る前に救命処置が必要な状況がもしあれば、すぐにお貸ししますので声をかけて下さい。